比較

2026年、日本語学習者のための Language Reactor 代替ツール

Language Reactor、Migaku、Mimora、Trancy が、いま見ている動画に対してそれぞれ何をするのか。そして、あなたの学び方に合うのはどれか。

動画で日本語を学んでいて Language Reactor が合わないと感じたとき、学習者が移る先として多いのは Migaku、Trancy、Mimora の三つです。Migaku は見た内容を間隔反復のカードに変え、11言語に対応します。Trancy は動画・ウェブページ・PDF の上に二言語字幕と AI 翻訳を重ねます。Mimora は日本語だけを扱い、一語ではなく動画一本を、やり切る単位として扱います。選択を決めるのは機能表ではなく、調べた語がそのあとどうなってほしいか、です。

日本語の動画を二言語字幕と単語カードつきで再生しているノート PC を囲んで、四つのツールが並ぶイラスト。Language Reactor はデスクトップでの動画学習、二言語字幕、その場の辞書引き。Migaku は文をカードに変えること、間隔反復、長期的な語彙。Mimora はふりがな、JLPT レベル、文法のヒント、そして元の場面へ戻ること。Trancy は動画とウェブページにまたがる二言語字幕、動画・ページ・PDF の AI 翻訳、モバイル対応。その下に四つの手順——見る、調べる、保存する、復習する。
四つのツールと、どれにも共通するループ——見る、調べる、保存する、復習する。

日本語学習で本当に効いてくる違い

動画を開いてからの十秒間、四つのツールがすることはほぼ同じです。字幕が二本並び、語をクリックすれば意味が出ます。この部分はすでに解かれた問題に近く、そこを比べても判断材料にはなりません。違いはその後に現れ、四つの問いに集約されます。

一つめ。保存した語はそのあとどうなるのか——復習の仕組みに入るのか、どこかへ書き出されるのか、ただ一覧に溜まるだけなのか。二つめ。そのツールは自分が日本語を教えていると分かっているか。ふりがな、活用、JLPT レベル、文型といった処理は、十以上の言語をまとめて相手にする仕組みが肩代わりしてくれる部分ではありません。

三つめ。学習の単位が何か。多くのツールでは単位はカードで、動画はそこからカードを掘り出す鉱山です。単位は動画そのものでもありえます——全部分かるまで何度も戻り、そのあと手元に残るもの。同じ一晩の視聴でも、どちらに流し込むかでまるで違う習慣が育ちます。四つめ。復習が実際どこで起きるか。机に向かって学ぶことと、スマートフォンで復習することは同じ習慣の半分ずつで、両方を覆うツールばかりではありません。

Language Reactor

Language Reactor は Chrome ウェブストアの掲載ページで、自らを "learn languages effectively by watching films and series in your target language"(目標言語の映画やドラマを見て効率的に学ぶ)方法であり、"a powerful toolbox for learning languages" だと説明しています。Netflix では二言語字幕、ポップアップ辞書、細かい再生コントロールが加わり、YouTube にも対応し、書籍やウェブページのテキストを取り込んで機械翻訳を添え、音声合成で読み上げることもできます。

課金する前に一行だけ丁寧に読む価値があります。"Our extension runs on Google Chrome on desktop and laptop computers running Windows and MacOS."——拡張機能が動くのは Windows と macOS のデスクトップ/ノート PC の Chrome 上だけ、という意味です。モバイルアプリへの言及はページのどこにもありません。掲載ページにはアプリ内課金がある旨は書かれていますが、プランの内訳はありません。単語の保存と書き出しについては Language Reactor 自身のヘルプページが別にあり、ストアの説明はそこを扱っていないので、直接開いて確かめる価値があります。

向いている人:パソコンで Netflix と YouTube をよく見て、クリック一回あたりの理解の助けを最大にしたい人。復習は別のところでしている人。

Migaku

Migaku は自らを "a powerful Chrome extension that turns your favorite websites into simple and effective learning materials"(よく見るサイトを、そのまま学習教材に変える Chrome 拡張)と説明し、日本語を含む11言語に対応しています。Netflix、YouTube、Twitter、一般のウェブページで動作し、製品全体が一つの考えを軸にしています。分からなかったその一文が、あとでもう一度出てくるカードになる、という考えです。

公式サイトによれば、カードには "the new word and its context sentence, audio, screenshot, definition, AI explanation"——新出語、それが現れた文、音声、スクリーンショット、語義、AI による説明——が載ります。文マイニングのための Anki 連携も明記されているので、すでにある Anki の習慣を捨てる必要はありません。到達範囲も四つの中で最も広く、ブラウザ拡張、iOS アプリ、Android アプリ、そしてウェブ版の Migaku Memory があります。クレジットカード不要の10日間無料トライアルを掲げています。

向いている人:文マイニングをする人、すでに Anki が生活の一部になっている人、複数言語を並行して学んでいて言語ごとに別ツールを持ちたくない人。

Mimora

開示:Mimoraは私たち自身の製品です。末尾のリンクで内容をご確認ください。日本語に特化したChrome拡張とAndroidアプリが学習ライブラリを共有します。ブラウザ拡張はYouTube、Netflix、ニュース記事に対応しています。AndroidでのNetflix学習には対応していません。

機能表からいちばん見えにくいのは、動画一本をどう扱うかです。語を保存すると、その文・その動画・その時刻も一緒に保存されるので、語が出どころから切り離されることがありません。復習では文を先に音で流し、あとから表示します。つまり試されるのは読めるかどうかではなく、聞き取れるかどうかです。まだ不安な箇所には印をつけられますし、その語が出てきた瞬間へそのまま飛び戻せます。動画そのものは持ち歩くものになります。履歴の一行ではなく復習プロジェクトとして追跡され、中のどの文も助けなしに分かるようになった時点で「完了」になり、そのあともライブラリに残ります。学習の単位は動画で、「一本やり切る」ことが実際に起きる出来事になります。

一言語に絞ったぶんが、ここに回っています。Mimora はふりがなを振り、JMdict で語を引き、いま見ているその文の中で約700項目の文法を検出し、ライブラリと復習キューの両方で JLPT の推定レベルを追跡します。保存したものが語数ではなく「自分はいまどのあたりか」として読める、ということです。ほかの三つは同じ道具立てで十以上の言語を覆うので、こうした一言語ぶんの作業はそもそも狙いではありません。

上位プランには凛凛(Rinrin)もいます。画面上の一文だけでなくあなたの学習記録を読み、次に何をやるべきかを、その理由とともに提案する AI チューターです。入門プランには付いていないので、気になる場合は契約前にどのプランに含まれるか確認してください。

向いている人:学ぶ言語を日本語に決めている人。カードを掘り出すだけでなく動画をやり切りたい人。ふりがな・文法・JLPT レベルを任せたい人。Android のスマートフォンで復習する人。

Trancy

Trancy は自らを "bilingual subtitle for platforms like YouTube, Disney+, as well as AI translator for websites"(YouTube や Disney+ などの二言語字幕と、ウェブサイト向けの AI 翻訳)を提供するものと説明しています。公式サイトには YouTube、Netflix、HBO Max、TED、edX、Coursera に加えてウェブページと PDF が挙がっており、日本語を含む10以上の言語に対応します。何を教材とみなすかという点では、四つの中で最も広いツールです。

動画・文・単語を個人ライブラリに集めて復習でき、拡張機能に加えて iOS アプリと Android アプリも公開しています。料金ページには、Google 翻訳で動く無料プラン、字幕のない動画への AI 文字起こし・PDF 翻訳・発音評価が加わる Premium プラン、そして複数の大規模言語モデルを選んで使え月ごとのトークン枠が付く上位プランが並んでいます。

向いている人:教材が動画中心ではない人——講義プラットフォーム、PDF、長めのウェブ記事——を一つのツールでまとめて扱いたい人。

四つの比較

Language ReactorMigakuMimoraTrancy
何を軸にしているか見ているその場で原語の映像を理解する見たものを間隔反復のカードに変える動画一本をやり切る。日本語専用あらゆる内容に二言語字幕と AI 翻訳を重ねる
一言語か多言語か多言語。数は掲載ページに記載なし多言語——11言語(日本語を含む)一言語——日本語多言語——10言語以上(日本語を含む)
動作環境Windows と macOS の PC 上の Chrome拡張、iOS、Android、ウェブChrome 拡張と Android アプリ拡張、iOS、Android
教材の出どころNetflix、YouTube、取り込んだ書籍とウェブNetflix、YouTube、Twitter、一般のウェブYouTube、Netflix(ブラウザ拡張)、ニュース記事YouTube、Netflix、HBO Max、TED、edX、Coursera、ウェブ、PDF
料金のかたちアプリ内課金あり。価格は公式ページで10日間トライアル(カード不要)。価格は公式ページで月額または買い切り。価格は公式ページで無料プランと有料プラン。価格は公式ページで

表に具体的な価格を載せていないのは意図的です。四社とも価格を変えますし、記事に書き写した数字は数か月で誤りになります。末尾のリンクは各社自身の料金ページに向いていて、正しいのはそちらだけです。

どれを選ぶか

Language Reactor を選ぶなら

  • インプットの大半が Netflix から来ている
  • パソコンで学び、スマートフォンでは学ばない
  • 視聴中の理解の助けを最優先したい
  • 復習はすでに別の場所にある

Migaku を選ぶなら

  • 保存した文をすべてカードにしたい
  • Anki がすでに日課に入っている
  • 複数の言語を並行して学んでいる
  • PC とスマートフォンで同じライブラリが要る

Mimora を選ぶなら

  • 学んでいる言語が日本語だけ
  • カードを掘り出すだけでなく動画をやり切りたい
  • ふりがな・文法・JLPT レベルを任せたい
  • 復習でその語が出てきた場面を再生してほしい
  • 自分の記録を読んで次を言ってくれるものが欲しい

Trancy を選ぶなら

  • 教材が動画だけでなく講義・PDF・記事にもまたがる
  • 字幕のない動画に AI 字幕が欲しい
  • まず無料プランから始めたい
  • 発音の練習を重視している

よくある質問

Language Reactor にスマートフォン用アプリはありますか。
Chrome ウェブストアの掲載ページには、拡張機能が動くのは Windows と macOS のデスクトップおよびノート PC の Chrome 上だと明記されており、モバイルアプリへの言及はありません。Migaku と Trancy は iOS と Android の両方を、Mimora は Android アプリを公開しています。スマートフォンでの復習が学び方の一部なら、課金前にご自身で掲載ページを確認してください。
四つとも Netflix で使えますか。
4製品ともブラウザ拡張でNetflixに対応しています。Mimoraでは日本語字幕の学習、翻訳、一文の再生とループ、一文の保存と復習ができます。ご自身のNetflixアカウントと、日本語字幕のある作品が必要です。AndroidでのNetflix学習には対応していません。
その語がどの動画から来たかを覚えているのはどれですか。
Mimora は文・動画・時刻を語と一緒に保存するので、復習ではまず音を流し、そのうえでその瞬間へ飛び戻せます。Migaku はカードに文脈の文、音声、語が現れた箇所のスクリーンショットが載ると明記しています。Language Reactor と Trancy は語や文の保存については述べていますが、出どころへ戻ることについては述べていません。
JLPT レベルや日本語の文法を分かっているのはどれですか。
Mimora は四つの中で唯一、一言語のために作られています。ふりがなを振り、文脈の中で約700項目の文法を検出し、ライブラリと復習キューで JLPT の推定レベルを追跡します。ほかの三つは同じ道具立てで十以上の言語を覆うため、日本語の教材を持つことはできてもレベルや文型で整理はしません。どれも JLPT の講座ではないので、文法と漢字の専用教材を併用する価値は残ります。
次に何を学ぶべきか教えてくれるものはありますか。
Mimora は上位プランに凛凛を含みます。画面上の一文だけでなく学習記録を読み、次に取り組むべきことを理由つきで提案する AI チューターです。Migaku と Trancy が明記しているのは、目の前のものを説明したり翻訳したりする AI——カード上の説明、ページの翻訳——であって、履歴から計画を立てる AI ではありません。契約前にどのプランに含まれるか確認してください。
字幕ツールとカードツールは何が違うのですか。
字幕ツールは、見ているその場で一度理解する助けになります。カードツールは、数週間後に忘れたころもう一度出会わせてくれます。Language Reactor と Trancy は理解を、Migaku はカードを、Mimora は場面に戻って動画をやり切ることを軸にしています。多くの学習者は結局そのうち複数を欲しくなり、この選択が本当に問うているのはそこです。
試す前に必ず支払いが必要ですか。
Trancy は料金ページに無料プランを用意しています。Migaku はクレジットカード不要の10日間トライアルを掲げています。Language Reactor の Chrome 掲載ページにはアプリ内課金があると書かれていますが、プランの内訳はありません。Mimora は有料で、月額と買い切りがあります。記事に引用された数字ではなく、各社の料金ページを開いてください。